抗真菌薬で一番効果が高い薬とは

抗真菌薬は真菌に対する感染症の治療を行うことができる治療薬であり、多数のものが知られるようになっています。
抗菌薬はその作用メカニズムの違いによってイミダゾール系、トリアゾール系、ポリエン系抗生物質、フロロピリミジン系、アリルアミン系、キャンディン系といったものが知られており、それぞれにおいて有効な真菌のスペクトルにも違いがあります。
イミダゾール系、トリアゾール系はエルゴステロールの生合成を阻害し、ポリエン系抗生物質はエルゴステロールに結合して細胞膜を破壊するものです。
フロロピリミジン系は核酸合成を阻害し、アリルアミン系はスクワレンの蓄積を促します。
キャンディン系は細胞壁のβ-Dグルカンの合成を阻害することで抗真菌薬として機能します。
こういったメカニズムの違いがあり、いずれも殺菌的に作用する力があることから単純に効果の高さを比較することは難しいのが事実です。対象にする疾患によっても抗真菌作用には強弱の差が生じます。そのため、症状や原因に合わせて適切なものを選ぶことが一番効果が高い薬を使用できるようになるためには必須です。
一つだけ効果が無効となるリスクまであることから覚えておかなければならないのが、剤形の違いによる効果の違いです。
真菌感染症には表在性のものと深在性のものがあります。表在性のものには内服薬も外用薬も有効ですが、深在性のものに外用薬は効果がありません。
また、症状が明らかに目に見えていて表在性のように感じられても、血中に存在する真菌もいます。そういった場合には内服薬でなければ根治に至ることはできません。
そういった考え方をするならば内服薬は外用薬よりも効果が高いといえますが、副作用も起こりやすいので注意が必要です。

症状によって使い分ける抗真菌薬

白癬菌は、温度が15度以上湿度70%以上の高温多湿な環境を好み、爪や皮膚の角質に含まれるケラチンを栄養源とするカビの仲間である真菌一種であり、ケラチンを分解して栄養を得る際に酵素ケラチナーゼの作用により水虫特有の痒みを引き起こします。
水虫と呼ばれる足白癬には、趾間糜爛型足白癬や小水疱型足白癬などの汗疱状足白癬と角質増殖型足白癬、爪白癬があります。
趾間糜爛型足白癬は、特に小指と薬指の間に症状が出易くポツポツとした発赤や紅斑が出来、水疱や嚢胞が破れジメジメとした患部を形成します。また、小水疱型足白癬は、足の裏や足側縁部、土踏まずに紅斑や小水疱が出来やがて嚢胞を形成し、歩行などで嚢胞が破れ趾間糜爛型足白癬と同様に湿潤状態の患部が形成されます。
趾間糜爛型足白癬や小水疱型足白癬の治療には、アリルアミン系のテルビナフィンやイミダゾール系の硝酸ミコナゾ一ル、ベンジルアミン系のブテナフィン、モルホリン系のアモロルフィン、チオカルバミン系などの抗真菌薬が用いられ、クリームタイプや液状タイプ、スプレータイプの外用薬があります。
汗疱状足白癬の様な湿潤状態の治療には、塗布の際に強い刺激のある液状タイプの抗真菌薬よりも、クリームタイプの抗真菌薬が処方されますが、痒みの強い時にはスプレータイプの方がヒンヤリと感じられ痒みが抑えられます。
又、汗疱状足白癬は、再発を長年繰り返す事で足の裏や踵の角質が硬く肥厚し白っぽくなり、徐々に角質増殖型足白癬に移行します。角質増殖型足白癬の治療には、汗疱状足白癬の治療と同様に外用薬が用いられますが、硬く肥厚した角質の深部に白癬菌が存在する為に、クリームタイプやスプレータイプでは効果が薄いとされ、浸透率の高い液状の抗真菌薬が用いられます。又、外用薬の他に、イトラコナゾールやテルビナフィンなどの経口薬が併用されるケースもあります。

抗真菌薬は飲み薬と塗り薬どちらが効くのか?

足白癬と呼ばれる水虫には、趾間糜爛型足白癬や小水疱型足白癬などの汗疱状白癬と角質増殖型足白癬、爪白癬があります。汗疱状白癬は、足裏や足側縁部、土踏まず、趾間などに強い痒みを伴う水疱が出来、水疱がやがて嚢胞となり歩行や引っ掻いたりして嚢胞が破れ白癬菌感染患部がジュクジュクとした不衛生な状態になります。不衛生な患部は、細菌が侵入し易く二次感染の発症リスクが高くなります。
治療としては、テルビナフィンなどの経口抗真菌剤よりもクロトリマゾールなどの外用抗真菌剤の方が、患部から直接白癬菌に作用するので即効性があり、外用薬には抗真菌剤だけで無く抗ヒスタミン剤などの痒み止めも配合されており、痒い患部を無意識に引っ掻く事が無く治療がスムーズに進みます。
角質増殖型足白癬は、汗疱状足白癬が放置されたり、再発や悪化を長年繰り返す事で発症し、冬場に悪化することが多く乾燥によるひび割れやあかぎれと誤診されるケースが多い水虫です。
又、足の裏が肥厚し硬化する事により足の裏が白くなる為、老化現象による肌トラブルと勘違いしスキンケアを行っているケースも多く、高齢者の感染者が多い水虫です。角質増殖型足白癬患者の多くが、爪白癬を発症している事が無く、全爪白癬患者の4割以上が60歳以上とされる水虫です。
角質増殖型と爪白癬の治療には、塗り薬などの外用薬よりもテルビナフィンなどの経口抗真菌剤が処方されるケースがほとんどです。塗り薬は、肥厚した爪や角質の深部に寄生する白癬菌には届き難く難治とされており、経口抗真菌剤は腸から吸収された有効成分が爪や皮膚角質から真菌細胞内へと移行し菌の増殖を抑制します。
又、経口抗真菌剤テルビナフィンは、血中半減期が長い為に薬効の持続時間が長く、低濃度でも白癬菌に対してエルゴステロールの生成阻害効果を発揮します。
症状に応じて、飲み薬と塗り薬を使い分けるべきです。

■病院に行く暇もない忙しいお父さんに
ラミシール